新材料の開発をめざす材料工学科



材料工学科 学科長


 材料工学科は、材料の主要素材である有機、無機、金属の各コースからなっています。学部学生は2年次に進級するとき、各コースに分属し、その後各専門教育科目を主に修学します。また、コースには大学院も併設されており、修士、博士課程の院生が各々の研究テーマに取り組みます。
 このコースのうち、有機はプラスチックの材料(高分子材料)の開発、製造に関する教育、研究が進められています。この材料の特徴は、軽く、成形性に優れていることです。無機は、セラミックス、ガラス、セメントなどの無機質材料の開発、製造に関する教育、研究が行われています。この材料の話題として最近は、高温耐火物の開発が進みダイオキシン問題も解消の方向に進みつつあります。金属は、鉄にはじまって、構造材料として広汎な用途があります。いろいろな合金が開発され、そのひとつとして、水素貯蔵合金があげられます。
 このように材料工学科は、三つの素材の開発、製造について教育、研究が行われています。最近ではこれらの素料を複合する試みも行われ、例えば、有機材料を基材として、これに炭素繊維や金属系の繊維を強化材として複合材料が作られ、宇宙ロケットや航空機の分野で大量に使用されています。
 材料は原子、分子の集合体と考えられ、この微細な構造の集積が巨視的な性質を支配することになります。21世紀、微細構造制御の新たな展開により、新素材の開発がさらに発展し、工学、工業の体系が大きく変化し、環境にやさしい社会の形成が望まれます。また、材料の中の個々の素材の垣根を取り払って、一つの材料を専門としつつも、他の材料についても有機的に吸収し、新たな発想の新素材の開発をめざしています。

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